将来性豊かな若駒が集結する2歳チャンピオン決定戦

1988年以降のJRA賞最優秀2歳牡馬30頭は、いずれも同年に朝日杯フューチュリティS(2000年以前は「朝日杯3歳S」の名称)を勝っていた馬である。1991年の優勝馬ミホノブルボン、1993年の優勝馬ナリタブライアン、1997年の優勝馬グラスワンダー、2001年の優勝馬アドマイヤドン、2006年の優勝馬ドリームジャーニー、2012年の優勝馬ロゴタイプなど、この朝日杯フューチュリティSを皮切りに複数のGⅠタイトルを獲得した馬も少なくない。現2歳世代の牡馬にとって最初のGⅠを制し、世代の頂点に立つのはどの馬だろうか。今回は中山・芝1600メートルで行われていた2013年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

重賞での好走経験や前走の勝ちっぷりがポイント

過去10年の3着以内馬30頭中21頭は“1400~1800メートルのJRA重賞”において4着以内に入った経験のある馬だった。該当馬は3着内率が30.4%に達している。既に1マイル前後の重賞で好走したことのある馬が中心だ。〔表1〕

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なお、“1400~1800メートルのJRA重賞”において4着以内に入った経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った馬のうち、2012年3着のゴットフリートを除く8頭は、前走の着順が1着、かつそのレースの2着馬とのタイム差が0秒2以上だった。1マイル前後の重賞で好走したことがない馬同士を比較する際は、0秒2以上のタイム差をつけて勝利した直後の馬を高く評価すべきだろう。〔表2〕

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前走で上位人気に推されていた馬が優勢

前走の単勝人気別成績を調べると、前走で「1番人気」だった馬が3着内率35.0%と優秀な成績を収めている。一方、「6番人気以下」だった馬は3着内率が4.9%にとどまっている。前走を比較する際は、当時の単勝人気にも注目してみたい。〔表3〕

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大敗を喫したことがある馬は不振

過去10年の3着以内馬30頭中23頭は、JRAのレースにおいて5着以下に敗れた経験がない馬だった。一方、この経験があった馬は3着内率8.4%と苦戦しているうえ、2012年以降に限れば〔0・1・1・42〕(3着内率4.5%)とさらに低調だ。今年も5着以下に敗れた経験のある馬は評価を下げるべきだろう。〔表4〕

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前走も1600メートルのレースだった馬が中心

過去10年の3着以内馬30頭中15頭は、前走が「1600メートル」だった。一方、前走が「1600メートル以外」だった馬は3着内率が13.0%にとどまっている。前走で今回と異なる距離のレースに使われていた馬は、過信禁物と見ておいた方がいいかもしれない。〔表5〕

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なお、前走の距離が「1600メートル以外」だったにもかかわらず3着以内に入った馬の大半は、前走がJRAのレース、かつそのレースでの上がり3ハロンタイム(推定)順位が「3位以内」だった。前走が今回と異なる距離のレース、かつそのレースで出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、苦戦する可能性が高いようだ。〔表6〕

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近年は前走で多頭数のレースを使われていた馬が好成績

過去4年の連対馬8頭中、2014年2着のアルマワイオリを除く7頭は、前走の出走頭数が「13頭以上」だった。一方、「12頭以下」だった馬は3着内率9.5%と苦戦している。阪神・芝1600メートルで行われるようになってからの傾向を重視するならば、前走が多頭数のレースだった馬を高く評価すべきだろう。〔表7〕

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なお、前走の出走頭数が「12頭以下」、かつそのレースが「JRAのGⅡ以外のレース」だった馬は3着内率3.7%とさらに低調だ。該当する馬は思い切って評価を下げたい。〔表8〕

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不安要素の少ない馬が有力候補

過去6年の優勝馬6頭は、いずれも前走の着順が1着、かつそのレースの2着馬とのタイム差が0秒2以上だった。また、この6頭は前走の単勝人気が4番人気以内だった点、JRAのレースにおいて5着以下に敗れた経験がなかった点、前走の出走頭数が13頭以上だった点も共通している。〔表1〕~〔表8〕で挙げた条件をより多くクリアしている馬に注目すべきだろう。〔表9〕

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